JUNK WORLD
■漫画
2008/08/17_うしおととら(螺旋)
読後感が最悪ですね。すいません。
お付き合いくださいまして有難うございました。
うしおが本当に自殺したのか、とらに殺されたのかは、考えていません。
どっちでもいいなと思ったので。
要は、「うしおがいなくなる」と言う設定が欲しかっただけです。
以下、ウザイぐらい長いあとがき。
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漫画の中で、二回ほど繰り返しましたが、
「こんな世の中ですから、もう珍しい事ではないのかもしれません」と言う部分、
今回言いたかったのはコレです。
気が付けば、通り魔だろうが、自殺だろうが、大して珍しくもない、
なんて感想を抱くようになっていました。
子供の頃に聞いた、通り魔や、自殺の言葉の意味、恐怖感が、
成長するにつれ薄らいできている事に、愕然としました。
なにも、通り魔、自殺に限った事ではありません。
人の「不幸な形での死」、人の「あってはならない過ち」
そういったものに、慣れていたんです。
イラついたから、誰かを殺そうと思った、なんて。
そんなことを考える馬鹿もいたもんだね、なんて。
まるで自分がそこに居ないかような、まるで関係ないかのような、
ものの考え方をするようになっては、いけないと思いました。
自分が発した悪意は、必ず自分に戻ってくるものです。
そしてその悪意は、決して薄れることなく、連鎖していくのです。
螺旋のように、消えることはありません。
そんなことを考えながら、描いてみました。
作中、うしおが本当にとらを殺していたとしたら、その後、うしおは自殺をして、
周囲の人たちに不幸を撒き散らすのでしょう。
もし万が一、とらを殺せないで、逆に殺されていたとしても、結果は同じです。
とらは二度と、うしおの居た場所に戻ってこないと思います。
真由子たちにも二度と会う事無く、また最悪の妖怪として、
独りぼっちで生きるのだと思います。
悲しいね。そんなの。
犯罪者が世の中からいなくなればいいのに、なんて大それた台詞は言えません。
居なくなる事はないと思います。
でも、少しでもそれを抑制する事が出来れば。
せめて、道を踏み外しそうな人の力になれれば、いいなと思うんです。
偽善と言われても、仕方ないかもしれません。
でもせめて、大好きな人たちには、幸せで居てもらいたいのです。